企業弁護士が製造業で必要とされている背景とその業務について

海外市場の成長を取り込むために、グローバル化を急速に進める日本の製造業

製造業

少子高齢化に伴う人口減少や長引く不況の影響によって日本国内の市場規模は年々縮小しています。こうした中、日本の製造業は新興国を始めとする海外市場の成長を取り込むためにグローバル化を急速に進めています。
グローバル化によって海外企業との取引も増加しており、その国特有の商慣習や法律に関する知識が必要とされています。企業はリスク管理と迅速な経営判断を両立させるため、法律に対する深い理解と紛争解決手段について専門の知識を有する弁護士を社内に抱える必要性が増しているのです。

契約確認、コンプライアンス教育、リスク管理面という業務だけではない製造業の企業弁護士

一般的に企業弁護士は法務部門に所属することが多く、そこでは取引先との交渉や契約確認といった日常業務の支援をおこなったり、コンプライアンス教育や企業倫理研修を担当しています。これに加え、取引先が倒産した場合や自社の重大クレーム発生といった重大トラブルへの対応などリスク管理面でも重要な役割を果たします。
また、製品やサービスに関連する法規制に対して、専門家としての視点での問題把握、解決策の立案や日常業務へのフィードバックといった分野でも力を発揮します。

海外案件増加に対応するために、専門の知識を有する企業弁護士が求められる

現在、日本の製造業を取り巻く事業環境は大変厳しいものとなっています。将来を見据えた事業戦略を考える上で企業の合併・買収(M&A)は欠かせない選択肢となっています。自社単独で生き残りを目指すのではなく、同業他社や自社にない技術を持った関連企業との合併・買収によって相乗効果や相互補完が期待できるからです。
企業M&Aの案件だけでなく、生産拠点の海外進出も進んでおり、海外案件は増加する傾向にあります。こうした企業M&Aや事業提携、生産拠点の海外進出などの案件増加に対応するために専任担当者が必要になります。企業の命運を左右する専門性の高い案件やプロジェクトに対応できる人材として、専門の知識を有する企業弁護士が求められています。

企業弁護士の利点は、顧問弁護士に比べ自社の業務や社風などにより精通していること

これまでは法務部門のスタッフが社外の顧問弁護士などと連携し、法務案件に対処してきました。しかしながら、最近増加しているより専門性の高い法務案件が増えると、弁護士を社内に抱える必要性がより増してきます。
また、企業に所属する弁護士の方が社外の顧問弁護士に比べ、自社の業務や社風などにより精通しているといった利点もあります。2015年現在、企業に所属する弁護士の数は約1400名となっており、5年前の3倍に増加しています。急激な増加はこの様な背景が影響していると考えられます。製造業復権のカギは企業弁護士が握っているかもしれないのです。